最近よく耳にする『子ども食堂』。
初めて聞いた時は、子どもがお店屋さんごっこで食堂をしているのかと思いました^^;
『子どもが提供する食堂』ではなく、『子どものための食堂』なんですね。
先日、子ども食堂のボランティアに参加して少し知ることができたので、今回は子ども食堂についてのお話しをしたいと思います。
子ども食堂の目的って?どんな子が利用するの?
東京都大田区にある『気まぐれ八百屋だんだん こども食堂』が発祥とされる子ども食堂。
『気まぐれ八百屋だんだん こども食堂』では、『こどもが1人でも安心して来られる無料または低額の食堂』として運営をされています。
そこから全国にどんどん広がっていき、今では全国2000か所以上にのぼります。(2018.4現在「こども食堂安心・安全向上委員会」)
近年の報道で、『子ども食堂』は『貧困家庭の子どもたちが利用するところ』というイメージがついてしまっていますが、実はそうではありません。
対象は貧困家庭の子どもだけでなく、地域の子ども全て、ひいては大人も対象なのです。
子ども食堂の目的は地域によって異なりますが、『孤食を防ぐ』『貧困の子どもたちへの食事の提供』『食育』『コミュニケーション場所』などを目的として開催されています。
ひと昔前の日本は子どもの人口も多くて、あちこちで子どもたちのはしゃぐ声が聞こえていました。
しかし今では子どもたちが安心して遊べる場所も少なくなり、家の中でスマホやゲームで遊んでいる子どもも多いです。
核家族が増え、子どもたちと地域の大人たち(とくに、おじいちゃんやおばあちゃん)との関係が薄くなってきている昨今、『子ども食堂』はコミュニケーションの場として活躍しています。
子ども食堂の開催運営の様子
私の住んでいる地域の子ども食堂は、月に一回開催されています。
子ども食堂の案内は、毎月地域内の全戸に配布されているので、それを見て食材提供者・ボランティア・参加者が集まる仕組みです。
配布されたチラシを見て、地域の方が自主的に食材やお米を無償提供してくださいます。
精米した米30キロを数袋も提供してくださるのは、近所の農家さん。
野菜も地域の農家の方や趣味で栽培されている方々が、収穫したての新鮮なものを袋に詰めて持参してくださいます。
食事を作るのは、地域のボランティアさん達。
市の福祉団体(社会福祉協議会)にボランティアに申請登録した方々で、主婦の方が多いです。
年齢は20代~70代の方までおられます。
衛生管理者の指導のもと、十分に消毒を行いマスクをして、衛生面に気を配って調理します。
この日のメニューは『カレーライス』と『ハヤシライス』。
なんとおかわり自由!
育ち盛りなのでほとんどの子どもが「美味しい!」と言いながら何杯もおかわりをしていました。
料理の量的には十分見込んで調理してあるので余裕はタップリあります。
みんなお腹いっぱい食べていました。
子供たちが食事を終えたあとは遊びの時間。
おじいちゃんやおばあちゃんが昔の手作りのおもちゃ(けん玉や、竹とんぼ、お手玉など)を取り出してきて、子どもたちと一緒に遊んでいました。
子どもたちは普段見られないおもちゃにとても興味を示して大喜び。
おじいちゃんおばあちゃんも子どもたちと遊ぶことがとても楽しそうで、見ていて微笑ましい光景でした。
ちなみにこの地域の参加費は、小学生未満は無料、小学生は100円、中学生以上(大人も含む)は200円です。
子ども食堂ボランティアに参加して感じたことと課題点
参加したボランティアの方々は、現役を引退した定年退職者や、一般の主婦の方、社会福祉に興味を抱いている学生など様々です。希望者は多いそうです。
子どもが独立した主婦の方は、「普段は料理の作り甲斐がないから、こうして誰かのために料理を作れるのが嬉しい」とおっしゃっていました。
こういう場所でしか子どもたちと接する機会がない、地域のおじいちゃんおばあちゃんは子どもと接して本当に楽しそうでした。
子どもたちも普段と違う場所、違う顔ぶれで、わいわい食べることが新鮮な様子。
おかわりしてモリモリ食べる子の横で、「いつもはこんなに食べてくれないのに~」とお母さんも嬉しそうでした。
参加者みんなが笑顔になれる、そんなところも『子ども食堂』の魅力ですね^^
ただ、ボランティアの人員や提供される食材は足りているのに、参加する子どもの数が少ないと感じました。
『子ども食堂は貧困家庭の子どもだけが利用するもの』という間違った認識により、子どもの参加を親御さんが止めている家庭もあると聞きました。
また、外部に家庭事情が漏れることを恐れて、参加を拒むご家庭もあるとのこと。
こうした間違った認識を取り除き、たくさんの人が気軽に集まれる『子ども食堂』にしていくことが今後の課題だと思います。
おしまいに。
『子ども食堂』は子どもの貧困を少しでも救済するためでもありますが、やはりコミュニケーションの場所としての役割を担っている部分が大きいと感じました。
この地域の『子ども食堂』はまだ始まったばかり。
開催頻度はまだ月一回ですが、子どもたちも喜んでいて、スタッフやボランティアの方たちがやる気を持って取り組まれています。
「子ども食堂」を通じて、大人も子どもも、もっともっと世界が広がればいいなと思います^^