広報委員をしていると、最初のゲラ(初校)ができあがってきたときって、ちょっとした感動がありますよね。
苦労して取材をして、撮影をして、原稿依頼をして、レイアウトにはめ込んで・・・・。
それが初めて『目に見えるかたち』としてできあがるのが『初校』です。
私は10年広報委員をやってきましたが、初校のゲラがお披露目された時の委員の反応はほぼみんな同じです。
『ぉお~っ!・+゜・。(*゜∀゜*)・゜+。+・』
あなたの委員会でも同じだったのでは?(笑)
しかし。かたちになったからと言って、まだまだ気は抜けません。
広報誌を作るうえでとても重要な『校正』という作業が待っています。
今回はその校正作業をするときのポイントと、スムーズな作業の仕方を詳しくご紹介します^^
そもそも校正とはなんぞ?
回数によって、『初校』『再校』『三校』などと呼び、校正が終ることを『校了』、訂正個所が少なくて印刷所に責任をもたせて校了とすることを『責任校了 (責了)』 といいます。※参考:コトバンク
具体的な作業としては、ゲラに修正箇所がないか確認し、修正箇所があれば赤ペンで書き込んでいきます。
これを『朱入れ(しゅいれ・あかいれ)』といいます。
その時に一般的には『校正記号』というものを使用しますが、PTA広報委員会はプロの編集者ではありませんので、専門的な校正記号は使う必要はありません。
印刷所の修正担当者にどう修正したいかが的確に伝われば、それで構いません。
しかし、逐一指示を書き込むのも手間がかかりますので、広報誌でよく使う校正記号をご紹介します^^
↑よかったらこの画像を委員さんで共有してくださいネ^^
複雑な修正点は、「相手にわかりやすく伝える」ということをこころがけてください。
PTA広報誌のスムーズな校正作業のためには?
校正作業にはいくつか方法があります。
1. 読み合わせ校正
一人が元の原稿を音読し、他の人(2人以上)がゲラを黙読します。
間違いに気付きやすい方法です。
文章が多い場合に適しています。
2. 単独でそれぞれ校正
ひとつの原稿をコピーして、複数でそれぞれ校正します。
このとき、『この部分はあなた、この部分は私』というふうに分担してはいけません。
分担するのではなく、同じ部分を数人でチェックします。
広報委員はプロではないので見落としは必ずあります。
複数の目を通すことで、より見落としを防ぐことができます。
各々が校正したものを代表者がゲラにまとめて朱入れをします。
3. 集まらずにLINEなどで校正
印刷所から受け取ったデータ、もしくは紙のゲラを撮影したものを、LINEなどで全員で共有します。
それぞれ確認し、気付いた修正点をあげていきます。
初校は修正箇所が多いのでこの方法は向きませんが、再校以降はとても便利です^^
必須!. 先生校正
PTA広報誌の場合、各先生に確認をしてもらう必要があります。
各担当の先生に該当箇所のページをコピーして、児童・生徒の氏名や写真などを確認してもらいます。
場合によっては. 著者校正
原稿依頼した場合など、まれに『ゲラを確認させて欲しい』と頼まれる場合があります。
状況に応じて確認してもらうようにしましょう。
PTA広報誌の校正で見落としがちなポイント10こ。
・号数
とても大事な部分なのに、けっこう見落としがちなところです^^;
印刷所でも昨年度のデータを再構成していることも多いので、号数など昨年度のままになっている場合もあります。今一度確認してみてくださいね。
・発行日
これも号数同様、前年度のままになっている場合があります。
また、平成○○年・20〇〇年の表記も統一されているか確認しておきましょう。
・児童・生徒の氏名
PTA広報誌で一番間違ってはいけない、かつ、一番間違えやすいところです。
特に漢字は一字ずつ名簿と照らし合わせて確認するようにしてください。
また、顔写真や作品写真と氏名が一致しているかの確認も必要です。
このあたりは広報委員だけでは限界があるので、担任の先生にチェックをしてもらうことが重要です。
・正式名称
固有名詞は間違っていませんか?
大会やコンクール、地域の行事など、普段は略称で通じることも、広報誌に載せるときは正式名称が必要です。
知っているつもりでも、正式名称は異なる場合もありますので、必ず確認しましょう。
『第〇回』などの数字も要チェックです。
・行事の日付と曜日
意外によくある、『日付と曜日が食い違っている』こと^^;
これが告知記事だったりすると大変です。
念には念を入れてもう一度確認してみてくださいね。
・写真
行事の写真が入れ替わっていたり、キャプションがずれていたりなど、見落としがちなポイントです。
・同音異義語
読み合わせ校正でつい見逃してしまう部分です。
紛らわしい漢字の場合は、読み合わせながら都度確認しましょう。
・誤字、脱字
特に見落としがちなのが、送りがなです。
読んでいて違和感を感じた部分は見直したり調べるようにしましょう。
・数字
漢数字と算用数字が混在していないか確認しましょう。
また、ゼロの数も要チェック。一桁間違うなんてイージーミスも実はよくあることです^^;
・全体的なこと
背景色に対して文字色が読みにくくないか、レイアウトで切れてしまっているところがないか、文字間隔や字体に違和感はないか、など、全体的なバランスを見ます。
文字校正など細かいところに気を取られていると、全体的なバランスを見落としてしまうことがあるので、意識して見るようにしてくださいね。
校正作業と同時に、学校長とPTA会長の承認を得る作業もお忘れなきよう!
それらが全て終わったら、いよいよ校了!
校了の旨を印刷所に伝えます。
このとき、最後わずかな修正を依頼してそのまま校了することを『責了』といいますが、これは嫌がる印刷所さんが多いです^^;
なるべく修正がない状態で『校了』するようにこころがけましょう。
おしまいに
校了・・・広報委員としての肩の荷が下りてホッとする瞬間です。
10年広報委員をやっていると、『校了』という単語が好きになります(笑)
納品されるまでは安心しきれないところもありますが…^^;
校正作業はもっとも繊細な作業です。
広報委員はプロではありませんので見落としは必ず出てきます。
その見落としをカバーするために複数で確認することを徹底してください。
『一人が何度も目を通す』ではなく、『3人以上の目を通す』ことをこころがけてみてくださいね^^
ではこれにて校了!お疲れ様でした^^